避難所で生活する赤ちゃんの健康管理で、お母さんが気をつけるべきことは何か。東日本大震災時に避難家族向けQ&Aシート作成に携わった、大阪大学医学部付属病院小児科の和田和子医師に聞きました。【賀川智子】
◇ミルク飲む量が半減なら医師へ相談
お風呂に入れない場合、少量のお湯でしぼったタオルで、顔、手、胸、おなか、背中、足、おしりの順に拭きます。乾いたタオルで水分を拭き取ります。せっけんは手で泡立ててつけて、ぬれタオルで何回か拭きます。タオルが無いときはティッシュペーパーでも代用できます。
避難所生活が長引くと赤ちゃんが体調を崩す場合もあります。授乳時に鼻水や鼻づまりで一度にたくさん飲めなくても、少しずつでも飲んでいれば大丈夫。鼻汁が多くて気になる時は、大人が口でゆっくり吸い取ってあげてください。
せきがひどくても、眠れて、母乳やミルクが飲めていれば心配ありません。飲む量がいつもの半分以下だったり、犬がほえたりするような、あるいはオットセイのようなせきをしている時は、できるだけ早く医療スタッフに相談してください。
集団生活で気になるのは夜泣き。お母さんのイライラに赤ちゃんは敏感です。無理に泣きやませようとせず、やさしく抱っこしてあげてください。外の空気を吸わせるのも効果的です。
慣れない避難所生活で乳児を抱え、お母さんに疲れやストレスがたまるのは当然のこと。一人で抱えこもうとせず、周囲に手助けを求めて。周りの方も、ベテランのお母さんが抱っこを代わってあげたり、積極的に声をかけたりしてください。
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赤ちゃんケアの方法の詳細が書かれたQ&Aシート300部が、今後、熊本県内の避難所で配布される予定です。