祈とう料名目で現金を詐取したとして、大阪府警は9日、大阪市淀川区の開運グッズ販売会社「アドライン」(解散)の元実質経営者、河本大介容疑者(35)=同市住之江区、別事件で公判中=ら3人を詐欺の疑いで逮捕した。全国の延べ約2万6000人から約20億円を集めており、府警は開運商法の実態解明を急ぐ。
他に逮捕されたのは同社元役員で、経理責任者の田中寛紹(41)=大阪府貝塚市=と営業責任者の寺尾拓也(39)=兵庫県尼崎市=の両容疑者。田中容疑者は認否を保留し、他の2人は容疑を認めている。
逮捕容疑は2012年6月、同社の雑誌広告を見て開運ブレスレットを買った横浜市の40代男性に顔写真などを送らせた上で、「あなたは邪気に包まれている」と言って祈とう料名目で30万円をだまし取ったとしている。
府警によると、河本容疑者らはブレスレット(1万500円)を購入した客に「効果を実感してもらう」と言って宝くじを買わせ、外れると「邪気があるかどうか鑑定する」として顔や部屋の写真を送るよう要求。送ってきた人に「邪気に包まれている。祈とうが必要だ」とうそを言って祈とう料を請求していたが、実際には祈とうしていなかった。
3人は14年11月、祈とう料などの所得を隠して脱税したとして、大阪地検特捜部に法人税法違反の疑いで逮捕され、執行猶予付き有罪判決を受けている。【千脇康平】