女子相撲、国際選抜で初V 岡崎北高・佐野さん
優勝のトロフィーや賞状を手にする佐野さん=岡崎市土井町で |
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女子相撲のトップレベルの選手が集う「国際女子相撲選抜堺大会」で、岡崎市の岡崎北高校三年の佐野清香さんが初優勝を果たした。中学生以下の大会での優勝経験はあるが、年齢制限のない大会では初めて。七月にモンゴルで開かれる世界大会の日本代表の有力候補にも浮上した。
大会は日本女子相撲連盟の主催で、四月十七日に堺市の大浜公園相撲場であった。日本やモンゴル、タイなど五カ国から十~三十代の七十七人が出場。重量別に四部門があり、佐野さんは50キロ未満の超軽量級で頂点に輝いた。
佐野さんは兄や姉の影響で五歳から中学三年まで岡崎市相撲教室に通った。「相撲は五~十秒という一瞬で勝負がつき、引き分けもない。全て自分の責任で決まる」と魅力を語る。
高校入学前、練習の時間や場所を確保するため、自宅の倉庫を改装して約十八平方メートルの土俵をつくった。現在は大学の歯学部進学に向けて受験勉強もしながら週四日、トヨタ自動車相撲部コーチの中田善明さん(42)の個人指導を受ける。
大会の準決勝と決勝では一度も勝ったことのない大学生や社会人の選手と対戦。これまでは得意の押し出しで相手を追い詰めながらも、土俵際で体と脇のすき間を狙われ、まわしをとられることが多かった。「弱点を意識して練習をしてきたかいがあって、今回はしっかり脇を締めて相手を押し出せた」と勝因を振り返る。
実は佐野さんが最も苦労したのは体重管理。「大会数日前でも制限体重を超えていて本当に焦った。終わった後は甘い物を思いっきり食べた」と高校生らしい素顔も見せる。
世界大会の出場枠は各階級で一人ずつ。佐野さんは六月十二日に兵庫県姫路市で開かれる全国女子相撲選抜ひめじ大会でも好成績を収めなければならない。「勉強以外の時間は全て相撲に充てています」。次の目標に向け、粘り強く努力を重ねている。
(森田真奈子)
<女子相撲>日本女子相撲連盟によると、登録選手は全国で約350人。県内には小学5年から高校3年まで8人の選手がいる。高校生以下対象の国際大会として、毎年世界ジュニア女子相撲選手権大会が開かれており、アジアのほかロシアや東欧諸国、ブラジルなどからも選手が集まる。今年は7月30日にモンゴル・ウランバートルで開かれる。