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堺を知る@堺の湊焼再興夢みて 

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堺の湊焼再興夢みて 
2014年04月24日
 ◇31歳・中橋さん作陶励む

photo:01


湊焼を再興させようと作品作りに励む中橋さん(堺市で)
 江戸時代から堺に伝わりながら、後継者不足で窯元がほとんどなくなった「湊焼
みなとやき
」を再興させようと、堺市中区の陶芸家・中橋一彰さん(31)が作品作りに励んでいる。自身の活動が地元の人に支えられているという思いを、堺に伝わる物に取り組むことで表そうと試行錯誤を重ねた。茶わんは茶の湯で用いられたといい、「千利休を生んだ堺にこうした焼き物があることを広めたい」と意気込んでいる。(横田加奈)

 湊焼は千利休の佗
わび
茶の思想を表した「楽茶わん」を焼き続ける楽家の3代目道入の弟・道楽が、江戸時代に湊村(現・堺市堺区)で始めたとされる。

 楽焼の製陶法を受け継いでおり、手などで形作るのが特徴。低温で焼くため割れやすいが、軟らかい土質が湯の熱を保ち、茶の湯に適しているという。湊焼と呼ばれるのは、堺で作られたものだけとされ、堺市博物館によると、幕末~明治期に盛んに作られたが、その後衰退し、現在、窯元はごくわずかという。

 河内長野市で生まれ育ち、京都の窯元で腕を磨いた中橋さんと湊焼との出会いは、父の実家近くの堺市中区で工房を開いた23歳の頃。茶道を教える叔母から、「堺の焼き物を広めてほしいんよ」と言われ、茶わんを見せてもらった。ただ、ぼこぼこした姿に「形が整ったきれいなものを作りたいんや」と取り合わなかった。

 しかし、活動を続けるうち、考えが変わった。住民に作品を購入してもらい、励まされることで、「堺に支えられている」との思いが強くなった。そして、「今の僕があるのは堺の人たちのおかげ」と他の焼き物とともに、湊焼にも取り組むようになった。

 作業は自宅隣の工房で行う。赤茶色の粘土を丁寧に茶わんの形にしていく。窯の温度も自分の感覚が頼りだ。図書館などで資料を集め、独学で作った最初の茶わんはすすだらけになった。形も思うように表現できず、何度も作り直した。2年後、作品展で茶わんを手に取った男性に「これ、すごくいい」と褒められ、ようやく認められた気がした。

 湊焼はろくろを使わないため、その時の自身の気持ちや考えが手を通して作品に表現されるといい、「この人間臭さが魅力。きれいな形のものを作るより難しい。全身全霊を込めて向き合わないと」と言う。

 現在は関西の百貨店やイベントなどで作品展示を行っており、30日~5月6日には、堺市南区の高島屋泉北店5階で作品展が開かれる予定だ。中橋さんは「湊焼のことを知ってもらいたい。ぬくもりを感じられる作品の数々を手にとって、温かい気持ちになってもらえれば」と話している。



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