死因は溺死以外 肺の水は少量
毎日新聞
堺市堺区の自宅浴室で当時3歳の長男を監禁したとして両親が逮捕された事件で、長男の死因が溺死でないことが28日、捜査関係者への取材で分かった。両親は「風呂で溺れた」と大阪府警に説明したが、司法解剖の結果、長男の肺からは少量の水しか検出されなかった。浴室は内側から開かないように細工されていたことも判明。府警は長男が死亡した経緯を調べている。
府警によると、アルバイトで養父の常峰渉(つねみね・わたる)(32)と母美香(23)の両容疑者は昨年6月14日、約4時間半にわたって自宅の風呂場で長男を監禁したとされる。翌15日未明に「風呂で溺れた」と110番。長男は搬送されたが、18日に死亡した。体には40カ所以上のあざや、やけどの痕があった。
司法解剖の結果、死因は水を飲んだことで窒息し、脳に血液が回らなくなる低酸素虚血性脳症だった。ただ、肺に入った水が少量で、死因は多量の水を飲んで死亡する溺死ではなかった。常峰容疑者は取材に対し、「一緒に風呂に入っていたが、トイレに出て戻ったら長男が浴槽に浮かんでいた」と説明している。
また、浴室の扉は折りたたみ式で、内側の取っ手は壊されており、小さな子どもにとっては開けるのが難しい状態だった。監禁したとされる時間帯に常峰容疑者らは「長男を含め家族4人で出かけた」と府警に説明したが、周囲の防犯カメラには常峰容疑者らと長女の3人の姿しか映っていなかったという。【山田毅、宮本翔平】