突き上げる余震、崩れる石の家 イタリア地震・現地ルポ
イタリア中部で24日未明に起きた地震で大きな被害が出たアマトリーチェ中心部に同日午後、記者が入った。中世の趣が残る石造りの家々が崩れ落ちる中、消防士や住民が下敷きになった人を救出しようと、必死でがれきを撤去していた。
震源に近いアマトリーチェは人口約2700人。少なくとも35人が死亡した。
多くの建物や壁が崩れ落ち、倒壊を免れた建物にも大きなひびが入っている。当局者は「町の半分の建物が倒壊した」と話した。
時折、突き上げるような余震を感じる。重機ががれきを取り除く音が響き、粉じんが舞い上がる中、救助隊員2人が遺体が入った赤い袋を運び出した。
地震は未明に発生したため、多くの人は就寝中だった。ルカ・ファッチェンダさん(65)は大きな揺れで目が覚めた。ガラガラと壁が崩れる音が響く中、急いで外に出た。行き場がなく公園に一人たたずみ、「家の中も外も壊れてしまった。町の生活が壊れれば、人々のつながりもなくなってしまう」と心配する。
アッスンタ・マリニさん(45)は、中心部のがれきの前で、泣きはらした顔でぼうぜんとしていた。地震で、母を失った。「ローマから朝駆けつけた。こんな悲劇が起きるなんて」
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