青森市長、アウガ支援条例案を三たび提出へ
東奥日報社
正副議長に対し、アウガ支援条例案を定例市議会に提出する方針を説明する鹿内市長（左から2人目）
青森市の再開発ビル「アウガ」を運営する第三セクター・青森駅前再開発ビルを巡り、鹿内博市長は16日、今月29日開会予定の定例市議会に、アウガ「修繕積立金」（一部市の公金）を会社整理資金として転用する三セク支援条例案を提出する方針を議会側に伝えた。金融機関や地権者から債権放棄の合意は得ておらず、議会側が求めてきた三セクの整理方法は今回も示されないまま、市長は三たび同条例案を提出する構えだ。
鹿内市長と加賀谷久輝副市長が16日、市議会正副議長に非公開で方針を説明した。
終了後、市長は定例議会初日の29日に同条例案を審議、採決する「先議」としたい考えを示した。支援金額や使途の詳細は18日の市議会各派代表者会議で説明するとして明らかにしなかったが、テナントに返還する営業保証金や会社整理に伴う弁護士費用のほか、三セクの運転資金も検討しているという。
三セクの整理方法について、鹿内市長は依然として「関係者と協議中で、状況は変わっていない」と説明。3度目の同条例案提出となることには「営業保証金を（会社整理資金に）盛り込んで、テナントが退店できる環境を整えたい」と述べた。
同問題を巡り、6月定例議会では三セクの運転資金、テナントの営業保証金や売り上げ預かり金、弁護士費用など計2億円を修繕積立金から転用する同条例案を全会一致で廃案。7月上旬の臨時議会で営業保証金と弁護士費用に限定して再提出したが否決となった経緯がある。
大矢保議長は「議会の理解は得られないと思う。辞意を表明した市長が、（条例案の）提案理由を説明するのもおかしな話と伝えた」と述べた。
【2016年8月17日(水)】
アウガ商業施設部分 来年3月末までに閉店／市長方針
東奥日報社
青森市議会各派代表者会議でアウガの商業施設部分を来年3月末までに閉店させる考えを示した鹿内市長（中央）＝18日午前、同市議会議長室
青森市の再開発ビル「アウガ」を巡り、鹿内博市長は18日、来年3月末までにテナントを撤退させて商業施設部分を閉店し、運営する第三セクター・青森駅前再開発ビルの会社整理に着手する考えを示した。三セクは資金繰りが悪化し、光熱水費など約1250万円を滞納している状況も明らかにした。
閉店まで三セクの経営を維持するため、鹿内市長は29日開会予定の定例市議会に、アウガ「修繕積立金」を三セク支援に転用する条例案を提出する方針を示した。6月の定例議会で廃案、7月の臨時議会で否決となった条例案とほぼ同じ内容となる。
公開で行われた市議会各派代表者会議で鹿内市長は「2017年3月末までに、商業施設と三セクを整理する。三セク単独での資金調達が不可能なため、修繕積立金の一部を取り崩し、三セクを支援する」と説明した。
取材に対しては、すべてのテナントを来年3月末までに撤退させる方針を示し「必要になるのが（テナントに返還する）営業保証金。これを（修繕積立金で）確保する。テナントの同意が前提だが、三セクと市が方針を決めた」と話した。
市側によると、三セクはビル施設の保守点検などに充てる7月分の「管理費」と6月分の光熱水費の計約1250万円をアウガ「管理者会計」に支払っておらず、滞納分は同会計の余剰金で賄っている状況という。
三セク支援条例案は定例議会初日の29日に審議、採決する「先議」となる見通し。今回の条例案で修繕積立金から転用する金額は、三セクの運転資金不足分175万円、営業保証金7560万円、会社整理に伴う弁護士費用（所要額）とした。ただ、鹿内市長は各派代表者会議で「関係者と一致した結論が得られない」とし、これまで議会側が求めてきた会社整理の方法などを盛り込んだアウガ再生方針案の「最終版」を提示しない考えを説明した。
社民党の斎藤憲雄団長は同会議で「関係者との協議がまとまる見通しがないままの先議では、議会として無責任な議論をすることになる」と指摘。最大会派・自民清風会の花田明仁幹事長は取材に「既に条例案は否決されている。何も進展がないのに提案する市長は困ったものだ」と話した。
現時点で同条例案は否決となる公算が大きいが、態度を決めていない会派もあり流動的な面もある。
【2016年8月18日(木)】
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アウガ@アウガ商業施設部分 来年3月末までに閉店／市長方針
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