避難所、催し、ドボジョ…洋式化進む仮設トイレ
和式ばかりだった仮設トイレに変化が表れている。かつては男性しかいなかった土木や建築の現場に女性の姿も見られるようになり、洋式が取り入れられるようになってきた。国は女性の社会進出や災害時の備えも視野に普及に力を入れ、全国で盛んになった市民マラソンでも、洋式トイレの導入が進む。(鈴木雅之)
女性の社会進出や災害対応にも一役-。普及が進む洋式の仮設トイレ=姫路市西脇、HINO
播磨地域を中心に仮設トイレのレンタルなどを請け負う兵庫県姫路市の「HINO(ヒノ)」には、数年前から洋式の注文が舞い込むことが増えてきた。多くが女性用としての貸し出しで、一つの現場で1、2基程度だが、最近は月に5現場ほどから発注があるという。
同社の中川貴浩・営業課長(37)は「多少、費用がかさんでも女性用はきれいな水洗の洋式トイレを用意してほしい」と求められることが多くなったといい「ここ5年ほどで、女性を意識した現場づくりが進んだ印象」と話す。
国土交通省も普及に力を入れる。10月から同省発注の工事で、受注業者に仮設洋式トイレの設置義務を課した。水洗機能など一定の条件をクリアすれば、1基当たり月額上限4万5千円(原則2基まで)を補助。現場の人手不足解消に向け、労働環境を整えることで女性を取り込みたい考えだが、災害時の対応に向けた狙いも。特に足腰の弱い高齢者にとって和式トイレは使いにくいため、被災地では洋式トイレを求める声が多かったという。
実際、阪神・淡路大震災で供給された仮設トイレはほぼ和式だったため、兵庫県が2014年に策定した「避難所等におけるトイレ対策の手引き」では、高齢者や障害者のトイレは「洋式で対応」と明記する。
市民マラソンでも洋式トイレの設置が進む。20日に開催された神戸マラソンでは、前年の大会から導入。足腰が疲れたランナーに配慮し、昨年の5基から今年は25基に増やした。実行委員会の担当者は「昨年も好評だった。ランナーに選ばれるマラソンにするにはさまざまな要素があるが、トイレもその一つ」と話す。
おおむね2月に行われる東京マラソンでも今年の大会には計435基のうち50基が洋式。外国人ランナーが増えていることも洋式を多く設置する理由という。
以上引用
トイレが、いろんなところで注目を浴びている。