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「Yes We Did!」と叫んだオバマ大統領が残した「レガシー」

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「Yes We Did!」と叫んだオバマ大統領が残した「レガシー」 ラストスピーチで振り返った8年間
Kota Hatachi
オバマ米大統領が1月11日(日本時間)、最後の演説をした。

Darren Hauck / Getty Images
「Yes We Can! (私たちはできる!)」 「Yes We Did!(私たちは成し遂げた!)」 こう締めくくられたスピーチ。涙を流した人も多かった。

オバマ大統領は8年の任期中、どんなことを成し遂げたのか。演説の中で自らが振り返った「レガシー(遺産)」をまとめた。

Jonathan Ernst / Reuters
オバマ氏は演説で、「もし8年前のアメリカでこんなことを私が話していたら、目標が高すぎるのでは、と言うでしょう」と述べながら、自らの「レガシー」をアピールした。


景気の改善
オバマ氏がまず挙げたのは、景気対策。「自動車産業の復活させ、米国史上最長となる雇用創出を続けている」ことだ。

リーマンショック直後に就任したオバマ氏は、約90兆円にのぼる財政出動やGMの一時国有化をし、経済の立て直しをはかった。

演説の中盤では、こうも強調した。

「いま、経済は再び成長しているのです。賃金に所得、住宅価格、さらには退職積立金が、再び上昇しているのです。一方で貧困率は、再び下がっています」

「株価が記録を更新していても、富裕層は税金を公平に支払い、かたや失業率はおよそ10年ぶりに低い水準となりました。私たちは、人々がより良い生活を送れるようにするために、このようなことをしてきたのです。悪い生活ではなく」

ただ、このように自ら施策が「十分ではなかった」とも指摘している。

「上位1%の人たちが多くの富や収入を抱える一方で、都心部や農村部の多くの家族が置き去りにされています。月々の支払いに困窮している、レイオフされた工場労働者や、ウエイトレスや医療従事者たちです」


キューバ国交再開、イラン核合意、ビン・ラディン殺害

時事通信 / ホワイトハウス提供
外交面に関しては、「キューバの人々とともに新たな転換点を迎え、イランの核兵器開発を戦争することなく終わらせ、さらには9.11の首謀者を殺害」したことをアピールした。

アメリカとキューバは2015年7月、54年ぶりに国交を回復。16年には、オバマ氏が米国大統領として88年ぶりにキューバを訪問した。

核問題で対立していたイランとは、15年に「核合意」を果たした。核開発を削減することと引き換えに、米欧など6カ国はその経済制裁を解除した。

また11年には、アメリカ同時多発テロの首謀者とされているオサマ・ビン・ラディン容疑者がパキスタンに潜んでいたことが発覚。オバマ氏は、殺害作戦決行の許可を出している。


同性婚の合憲判決を支持

Mladen Antonov / AFP / Getty Images
オバマ氏は、LGBTへの差別にも言及し「結婚の平等を勝ち取った」とも語った。

2012年、オバマ氏は米国大統領として初めて、同性婚を支持する方針を明らかにしている。さらに、米最高裁が15年に下した「同性婚は合憲」という判断に対し、「アメリカにとっての勝利」との声明を出し、ホワイトハウスはレインボーカラーに染まった。


オバマケア(医療保険制度改革)
「健康保険に入っていなかった2千万の人々が、保健を受ける権利を確立」したとして、「オバマケア」とも言われる医療保険制度改革の成果を強調した。

アメリカには、国民皆保険制度がない。「オバマケア」は無保険ゆえに適切な医療を受けられない貧困層などの人たちに向け、最低限の保険加入を義務付ける制度だ。2010年に関連法が成立し、14年からスタートした。


自らのレガシーを列挙したオバマ氏は、こう言った。「これを、私たちは成し遂げた。これらを、あなたが成し遂げた。あなたがチェンジを作り出した」
その後の演説にも、自らの「レガシー」を挟み込んだ。たとえば、「温暖化対策」についてはこうだ。

「気候変動に対しては、挑戦しなければいけません。この8年間で私たちは海外の石油への依存度を半減させ、再生可能エネルギーへの依存度を倍増させました。そして、この惑星を守るための合意(パリ協定)の牽引役となったのです」

「私たちはこの問題に対して、ベストな選択をするための議論をすべきなのです。この問題を単純に否定することは、未来の子ども達を裏切ることにもつながります」


オバマ氏はさらに、自らの価値観を改めて示している。

John Moore / Getty Images
「私たちがその生活を守るためには、軍隊以上のものが必要です。私たちが恐怖に陥れば、民主主義は崩れてしまうかもしれない。だからこそ、私たち市民は、外部からの侵略者を警戒するのと同じように、私たちを私たちたらしめる価値観の弱体化を、防がなければならないのです」

そしてここで、テロ容疑者に拷問が実施されていたとの指摘がある、キューバ・グアンタナモ米軍基地の閉鎖(16年2月に発表)などにも触れた。

「だからこそ、私はこの8年間、テロリズムを根絶するために合法的に戦ってきました。拷問を終わらせ、グアンタナモを閉鎖するために働きかけ、市民の自由とプライバシーを守るための法律を整備してきました。そして、イスラム教徒のアメリカ人への差別を拒絶しました」

「だからこそ、私たちはグローバルな戦いから離脱できないのです。民主主義と人権、女性やLGBTの権利を、世界に広げていくために。たとえ、私たちの努力が不完全であっても、これらの価値観が、相手の都合で無視されたとしても」


トランプ次期大統領は、オバマ氏の政策の多くを批判している。オバマ氏の「レガシー」はどうなるのか。先行きは見えていない。

Jonathan Ernst / Reuters
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BuzzFeed JapanNews


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