【特集】一方通行を逆走するバイク? 京都の危険な道路
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京都を代表する観光地、伏見稲荷大社。鮮やかな朱色のトンネル、千本鳥居は見る人を魅了します。この日も快晴に恵まれ大勢の人が訪れていました。
Q.伏見稲荷はどうですか?
「すばらしいね。山頂は特にすごいよ!」
伏見稲荷といえばMBSでは去年、こんな憤懣スポットを取り上げました。
参道の途中にあるJR奈良線の踏切。あっちでも…こっちでも…。外国人観光客がこぞって踏切の線路内で写真撮影をしていました。これは危ない!
そして、今回は踏切よりさらに伏見稲荷に近い道路が憤懣の舞台です。交通量の多いこの通り、北向きの一方通行なんですが…自動車とは反対の南方向にも、たくさんのバイクが走っていきます。なぜなのでしょうか?
「こちらにある標識、よく見てみると『二輪を除く』と書かれています」(古平健太記者リポート)
実はこの道路、一方通行なのは自動車だけで、バイクや自転車は除外。バイクの逆走は問題ないのです。京都市内の東側を南北に通る本町通。この特殊な一方通行は、北は七条通りから南は国道24号まで約5キロ続いています。しかし、狭い京都の道、自動車と反対方向にバイクが走っても安全なのでしょうか?取材班、しばらく様子を見てみることに。
「バイクが観光客と近いですね。ミラーがあたりそうです」
「バイクとバイクが双方向で向き合ってしまいました」
自動車やバイクだけでなく、伏見稲荷へ向かう観光客も多いため、道路はいつも混雑、いつ事故が起きてもおかしくない状況です。
「後ろからバイクにクラクション鳴らされてやっと気づいたので。危ないなと思いました」(兵庫から来た観光客)
外国人観光客にはこう見えるようです。
Q.危なくないですか?
「いいえ。ニューヨークの方がもっとバイクが走っているから、危険だとは思わないわ」
とはいえ、この本町通りでは去年だけで14件の交通事故が起きていて、そのうち6件がバイクによる事故。6年前には2件の死亡事故まで起きています。実際に自転車で車と反対方向に走るとどんな感じなのか?取材班が実際に自転車で車と反対方向に走ってみると…
「ギリギリのところを車が通っています。圧迫感を感じます。危ないですね」(松本陸記者リポート)
車が横をスレスレに通るので、少しでもハンドル操作を誤ればぶつかってしまいそうです。確かに危険な感じが…バイクの利用者はどう感じているのでしょうか。
「逆の方向によく通るので、怖いから、ほとんどスピード出さずによけてよけて」
「危ないと思うのですけど、やっぱり便利ですよね」
どうしてこんな道路があるのか?実は、京都市内には同じような一方通行が他にも40か所以上あるのです。交通政策の専門家は、京都特有の事情があるといいます。
「京都のように格子状にできている街というのは交通の処理をするときに、一方通行を導入しているところというのは洋の東西を問わずあるので、(本町通りの)利便性確保のために二輪車の通行は認めてもらいたいという陳情があった」(龍谷大学政策学部 阿部大輔准教授)
地域の要望に合わせて特殊な一方通行になっているというのです。下京区の道路ではバイクのほかに小型特殊車両も逆走OK。市場が近くにあるためで、モートラと呼ばれる車両も逆走が認められているのです。
伏見稲荷近くの本町通も一方通行の区間が長く、バイクや自転車を規制の対象とすると南方向に行くのに大幅な迂回が必要なため対象から除外されました。バイクの逆走が禁止になると、近くの商店街では営業に支障が出るとの声も上がっています。
Q.出前の影響は?
「もうかなり…できなくなりますね。遠回りしていたらお客さんに出せるような品物にならないのでね」(うどん店)
様々な意見がありますが、特殊な一方通行になったのは約50年前。当時より交通量が格段に増え、時代に合わなくなってきているのも事実です。通学路になっている場所では、事故を未然に防ごうと毎朝、警察やボランティアが子どもたちの安全を見守っています。
「安全のために一方通行化のお願いを長年やっています。一番の願いは子どもたちの安心安全です」(ボランティア)
地元では本町通のバイクの一方通行化について、約20年間議論を続け、3年前、警察に陳情書を提出しました。この状態は改善されるのか?取材班、京都府警に状況を聞くと。
「地元の要望を受け協議を重ねた結果、3月1日に本町通りは二輪車も一方通行とします」
バイクの一方通行化に舵をきった本町通。その他の道路もそろそろ見直しのときがきているのかもしれません。
以上引用
番組見てたけど、奈良、京都、和歌山、兵庫等
各府県にあるようで、珍しくはないようである。
ちなみに、大阪府には、さすがにないようである。