堺市東区教育・健全育成会議
1 1. はじめに 平成 27 年度の堺市東区教育・健全育成会議において、 小 ・ 中学生のスマートフォン (以 下 「 スマホ 」という。 ) や携帯電話 を所持する児童・生徒 の急増や 低年齢化 を確認し、 その 利用が 基本的生活習慣の確立を阻害している要因の一つとなっていること や 、教育相談窓 口にも スマホ の利用に関する 相談が寄せられたことから、 保護者 の 意識を高めるための連 続した取組の中で、 子どもだけでなく携帯電話を持ち始める小学生の保護者に対する取組 が必要との提言を行った。
この提言を受け 平成28年度は、 「家庭・地域における教育・健全育成に向けた取組 ( ネ ット・スマホ時代における基本的生活習慣の定着に資する有効な取組 ) 」 について、市長と 教育委員会から 更なる審議を求められ、 審議 依頼 がなされた。 本 会議 ではこれまでに 4 回の会議を開催し、 東区の子どもたちの スマホ ・携帯電話の使 用状況や課題、各学校や教育委員会等における取組、国等が実施する各種調査等について、 調査・分析を行いながら審議を進めてきた。 今般、 これまでの検討結果 を 「ネット・スマホ時代における基本的生活習慣の定着に資 する有効な取組(中間報告)」としてまとめたので報告する。
2. 小・中学生の スマホ 等の利用実態と課題等 について
(1) 利用実態
ア 所持率について 堺市全 体 の スマホ ・携帯電話の所持率は、 小学校 4 ~ 6 年生の平均で 63 %、中 学生で 85 % ( 「平成 27 年度堺市『子どもがのびる』学びの診断」結果 ) と全国平 均より高 く 、東区においても区内小・中学校長からの聞き取り調査から 高い所持率 であることが確認できた 。
イ 現状 について インタ ーネット ( 以下 「 ネット 」という。 ) や スマホ は仕事の効率化やコミュニケ ーション 等に便利なツールであり、われわれの生活にとって 今や切り離せないもの となっている。 一方、 子どもたちの 生活において、 LINE や スマホで楽しめる ゲ ームが、 急 速 に浸透して おり 、 生活習慣の乱れとともに、 スマホを通してトラブル に巻き込まれるケースも発生しており、社会的な問題となっている 。 審議にあたり、東区内の小・中学 生の 、 スマ ホ ・携帯電話等の使用に関する問題 や 、 それらに対応する 取組等 について 調査を行った 。 例えば 、 LINEグループの会話やゲームから抜けられずに、睡眠時間の十分な 確保が困難 になってい ることや 、 布団の中でLINEやゲームをしてい るなど 、 保 護者 の 気づかないところ で 生活リズム を 崩 す 子ども の存在 が わかった 。また、 子ど もと 一緒 に夜遅くまでゲームをしている保護者 がいることも聞き 、 学校 の授業や指 導 だけで は、子どもたちの生活習慣の定着に取り組む こと の難しさ を確認した。 2 また、 小・中学生の課題だけではなく、 乳幼児をおとなしくさせるために、スマ ホで動画を見せたり、ゲームをさせたりする保護者 を見かけることも あり 、 子ども の健やかな育ちへの 影響が 懸念され るところである。
(2) 生活習慣上の 課題
ア スマホ 等の長時間利用 子どもたち の スマホ 等 の利用 と生活習慣の関連を整理してきたところ、 スマホ 等 の長時間利用 が大きな課題 であると捉えた 。 携帯電話と比べ、 スマホ 等 は、 より ゲ ームに 没頭し たり、 多 人 数 と の LINE の やりとりや 「 すぐ に返信する」という子 ども同士のルール など により 、 使用時間が長く な る 傾向 にある。 特にゲームは 1 つ のステージの攻略に 時間を要し 、 チャレンジ欲をかきたてる内容となって おり 、切 り上げ時や 止め 時が難しい傾向にある 。
イ 睡眠時間の減少 加えて、 子どもたちは、睡眠・勉強の時間を削って、 ネットや スマホ 等の 利用 時 間に充てている実態が明らかになった。 ネットやスマホ等の利用時間が長い子ども ほど就寝時刻が遅くなる傾向にある こと が、 文部科学省等の各種調査結果からも把 握できた 。
( 3)子どもに及ぼす影響
ア 生活習慣や生活リズムの乱れ スマホ 等の 就寝前の 利用 は、 強い光が 脳を興奮 ( 覚醒 ) させ 、入眠を妨げる。 睡眠 時間の減少 と相まって、 起床時刻 のずれ や朝食の不 摂取 など、生活習慣や生活リズ ムの乱れを引き起こし、健やかな成長の 妨げとなっている。
イ 学校生活の乱れや学習意欲の低下 生活 習慣や生活リズムの乱れ 、またその 長期化により、学習 をはじめ、さまざま な活動への 意欲の低下 を引き起こし、 遅刻 や 不登校といった円滑な学校生活を阻害 する要因ともなっている。
ウ 生身の人間とのコミュニケーションの減少 成長期の大切な時期に、 一人 でスマホに向かい過ごす時間 や 、 スタンプ や 短い言 葉で かわす L INEによるコミュニケーションが増大する 中で 、 家族の会話や団ら ん、友 達 同士の対話といった 人と人が直接向き合って交わす コミュニケーションが 減少 傾 向 にある 。 自身の考えや思いを 表情や声のトーンを 活用し て 相手に 伝え る力 や 、 相手の 表情や反応をキャッチしながら気持ち や感情 を読み取る力 等 が育ちにく くなる懸念がある。 また、都合の悪いことや言いにくいことは、メールやLINE で済ませようとする風潮も見受けられる。
3 3. めざすべき取組の方向性 生活習慣の定着を図るためには、子どもが主体的に生活をコントロールする力を育成する ことが重要であ る。子どもは、人に認められること で成長し、さらに期待に応えられるよう に努力を重ねていく。 その中で、 よりよく生きようとする姿勢が育まれ、基本的生活習慣の 向上につながっていく 。 そのためには、子どもたちの自尊感情を高めるための取組 が有効で あり、 子どもが幼いころから 保護者を巻き込んだ啓発 が 重要 である。 また、 区役所 、地域、学校が一体となり、家庭における子どもの生活習慣の定着に向けた 取組を推進することが重要である。
(1) 子どもが主体的に自身の生活をコントロールする力を育成する取組 ネットやスマホ の長時間利用の 対策として 、“ ○時になったら スマホを置く” 、 “ ○時になったら寝る”というように、 その道具に振り回されない 自律 する力を 育む取組が必要である。 また、 幼いころからの 継続した よりよい基本的生活 習慣 づくり や「早寝」「早起き」といった 一つ の習慣づくりから 取り組むこと が 有効で ある。
(2) 子どもが熱中できることや自尊感情を高めるための取組 熱中することがあれば 、子どもたちがスマホに傾注することが減るのではない か。 クラブ活動や趣味、学習などネットやスマホ以外 に 熱中できることを 持つ こ とが 重要 であ る。 好きなことや興味 のある こと に出会えるよう、 さまざまな体験 活動に誘うこと が必要である。
(3) 科学的 根拠や医学的 根拠を盛り込んだ啓発の取組 生活習慣の定着を図るためには、 何より 子ども自らが主体的に取り組むことが 重要である 。 そのためには、 子ども や保護者 が 、 心身に及ぼす影響について 科学 的根拠 や医学的根拠 を 理解 する ことが 有効 であ る。 なお、 家庭への 啓発については、 懇談会や家庭訪問等の機会に、 啓発物等を 直 接手渡すこと が有効であり 、 繰り返し 取り組むこと が重要である。
(4) 家庭でのルールづくりを推奨する取組 各種調査で ネット やスマホ の利用に関して、 利用 時間や利用方法など特にルー ルを作っていないという 家庭 の存在や、ルール の認識 について 、 子どもと保護者 の認識 に ギャップが あること 、 またそのギャップ は 学年 が上がるほど大きくなる こと を確認した。 保護者が“貸与 し ている”という認識を持 つことや 、 利用にあたっての ルール やモラル を 子どもとしっかり話し合い、 徹底することが必要である。 その ために は 、 保護者 自 身 が ネットやスマホの利用について 、 関心 を持ち 認識を高める よう 啓発する 必要がある。
5) 地域ぐるみで見守り育む取組 ネット や スマホ の課題については、 家庭だけで克服する こと は難しく、 地域や 学校、 区役所 が 連携し、 日常の暮らしの中で、 さまざまな機会を通して 、 地域ぐ るみ で 、 子ども と保護者 を見守り育む機運を醸成する ことが重要である 。 東区 の地 域で、ネット や スマホ の 利用に関する共通した呼びかけや取組が展開 される ことが 、大きな力 になるもの と考える。
4. 中間報告の結びとして 東区 教育・健全育成会議 では、これまで審議を重ね、上記のとおり 「 ネット・スマホ時 代における基本的生活習慣の定着に資する有効 な取組 」について の中間報告をまとめた。 そこで、この中間報告に記載した方向性を踏まえ、実施可能なものについては、 早急に 検討をすすめられたい。 今後、 本会議としては、東区の 子どもたちの基本的生活習慣の定着 に向けて、さらに検 討を進め、 平成29年2月を目途に 最終 提言 を提出することとしたい。
以上引用
わけがわからない・・・何をするのかわからない。
だから、なんなんだ・・・・