千葉女児殺害:遺棄容疑者は保護者会会長、事件後も見回り
毎日新聞
遺体発見現場周辺の地図
千葉県松戸市の小学3年、レェ・ティ・ニャット・リンさん(9)=ベトナム国籍=の殺人・死体遺棄事件で、遺体発見から19日。14日に逮捕された容疑者はリンさんが通っていた小学校の保護者会の会長を務めていた。ツアーガイドを夢見る幼い命が奪われ、地域を震撼(しんかん)させた事件は、真相の解明に向けて大きく前進した。
逮捕された自称不動産賃貸業、渋谷恭正(やすまさ)容疑者(46)は、リンさんが通っていた千葉県松戸市立六実(むつみ)第二小学校の保護者会の会長を務めていた。昨年度に会長を務め、今年度も続投の意向をみせていたという。周辺住民によると、事件後も通学路の見回りパトロールや学校に出入りするなどしていたが、リンさんが行方不明になった24日の夜、渋谷容疑者の車はなかったという。
周辺住民によると、渋谷容疑者の自宅マンションは東武野田線六実駅前にあり、オーナーとして4階に住んでいたという。近くに住む自営業の男性(44)は「私たちが24日の夜にリンちゃんを捜して回ったとき、いつも駐車場に止まっている(容疑者の)車が見当たらないのでおかしいと思った」と証言した。
60代の自営業男性は「1週間くらい前に六実駅前で、グリーンのベストを着て保護者らしい人たち5、6人と見守り活動をしていた。『大変だね』と声をかけると『はい』と答えて、いつもと変わった様子はなかった。数年前に子供2人と手をつないで仲よさそうに歩いているのを見た。子供思いな感じだったので驚いている」と話した。
六実地区の役員を務めていた60代男性は「保護者会の会長なので何度か会った。地区内の人とは……」と驚きを隠せない様子。男性は「(容疑者の)子供も小学校に通っているので、見守り活動に立つなど熱心だった。地区のみんなのショックが大きい」と語った。
3日前、見回りパトロールの旗を渋谷容疑者から手渡されたという無職男性(46)は「まさか会長が……。2年前、同じように旗を受け取った時は、玄関に腰掛け、1時間近く子供のことや学校の話をした。容疑者が捕まって安心もしたが、知り合いなので複雑な気持ち」と述べた。
六実第二小学校前に住む女性(84)は「事件後もパトロールに参加していたはず。どんな気持ちで参加していたのか考えると恐ろしい」と表情を曇らせた。【橋口正、小林多美子、信田真由美】
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