“蓋女”ハマるマンホールカード 人気過熱
NNN
道路にあるマンホールのふたが、今、自治体ごとにさまざまなデザインのものが登場し、話題となっている。さらに、マンホールのふたの写真が載せられた“マンホールカード”と呼ばれるカードにはまる女性も多いという。一体、何が起きているのだろうか?
■“蓋女”が欲しがる“マンホールカード”
スマホを手にひとりぶらつき、何やら探し物をしている様子の女性。その探し物とは、マンホールのふただった。すかさず袋から取り出したのは持参したブラシ。ふたをきれいにして、ひたすら写真撮影だ。
実は彼女は、マンホールのふたに恋する女性――人呼んで“蓋女”。そんな蓋女たちの視線をいま一身に集めているのが、自治体の窓口に出向かないともらえない“マンホールカード”だ。
■楽しみ方は様々
ただ収集するだけでなく、このカードには色々な楽しみ方がある。
カードの左下には、マンホールのふたがある場所を示す緯度経度が記載されていたり、カードの裏面にデザインの由来が記載されているので、マンホールのふたを通じ、地域の歴史や名物を知ることができたりする。
こうした工夫が功を奏したのか、マンホールカードは去年4月の第1弾発行からわずか1年で第4弾を発行するまでになり、145もの自治体が導入し、全170種類となった。
■人気は“ご当地”カード 高値で取引も
色合いも豊かで、中でも人気は“ご当地感”を感じられるものだ。
例えば、長野県の諏訪地域に伝わる7年に1度の大祭、御柱の男気を再現したものや、去年25年ぶりの優勝を果たした“広島市民の誇り”カープのマスコットキャラクタ-が描かれたもの。漫画の主人公を描いたカードはこのためだけの描き下ろしで、この地の出身者である作者の郷土愛が感じられる。
中でも一番配布枚数が多い人気のカードが、北海道札幌市のシンボル“時計台”を描いた1枚だ。
一方、その人気は過熱気味になっている。現状、無料のカードが高値で取引されており、中には1万6000円の価格がついているカードもあった。
■誕生のワケは?
そもそもなぜ、このようなカードが誕生したのだろうか。その“生みの親”であるGKP企画運営委員・山田さんはこう語る。
「下水道ってあまりどうしても印象が良くないんですよ。汚い、くさい、不衛生とか。イメージ良くしたいんですけど、普通にイメージ良くするのって難しいじゃないですか。そこで、みんなで楽しんでもらいながら、自然と下水道はおもしろい、楽しい、技術すばらしいなと知ってもらうためにどうしようか考えた結果、カードがおもしろいんじゃないかと」
狙いはずばり的中し、わずか1年で発行枚数は60万枚に到達した。
その人気は“広がり”を見せ、最新技術を駆使したものも登場した。専用のアプリをダウンロードしてスマホをかざすと、マンホールが開いて中からキャラクターが現れ、市内の観光名所を動画で紹介してくれる。
■目指すは年内100万枚
カード人気は思わぬ“逆転現象”も生んでいる。70年近くマンホールのふたを作り続けている長島鋳物・久喜事業所では、自治体からの注文に合わせてデザイン性豊かなふたを日々製造している。長島所長はこう話す。
「マンホールカードが注目されるということで、(自治体から)新しいデザインについてとか問い合わせがたくさん増えています」
「カードを作りたいからデザインマンホールを導入したい」という問い合わせが増えているという。
加速を続けるマンホールカード人気。第5弾を8月、第6弾を12月に発行し、年内に100万枚の達成を目指すということだ。
以上引用
とうとう蓋女も、できたか…