隠れ待機児童、解消遠く 盛岡市、今春微減270人
盛岡市で、希望した保育所への入所がかなわない潜在的(隠れ)待機児童が、判明しているだけで270人前後(4月1日現在)となることが保育関係者や市への取材で分かった。市は保育所などの定員増を進めているが、「預けられるならば働きたい」といった潜在需要の増加で相殺され、前年度の298人と比べ減少はわずか。女性の社会復帰のニーズと受け入れ態勢に隔たりがある現状が浮き彫りになった。
同市盛岡駅西通の子育てサポートセンターでは、未就学の子どもと母親が遊具で遊び、絵本の読み聞かせなどを楽しんでいる。同市の会社員の女性(28)は積み木を重ねる長男(1)の姿をいとおしそうに見つめた。今春の職場復帰を目指して年明けに保育所の入所申し込みをしたが、空きがなく待機となった。3月中旬に希望する保育所への入所が決まり職場復帰を果たしたが、女性は「決まるまで育休の延長も含めて悩みに悩んだ。私は幸運だったが、困っている母親は多い」と訴える。
同市は2014年度から待機児童解消に本腰を入れ、保育所の新設や増築、認定こども園化の後押しなど定員増に努めてきた。16年度は2保育所の新設や小規模保育事業の拡充で、定員が計244人増えた。既存の保育所なども含めて計6715人の受け入れ態勢を整え、認可保育所や認定こども園などに入所を希望しても入れない待機児童(4月1日現在)は前年度に続きゼロだった。
しかし、枠が広がった分だけ「保育所に預けられるなら働きたい」という潜在需要が増加。隠れ待機児童がなかなか減らないいたちごっこが続いている。同市子ども未来部の石橋浩幸次長は「隠れ待機児童は重要な問題だが、すぐに解決できる特効薬があるわけではない。地道な定員増に努めたい」と苦慮する。
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待機児童@隠れ待機児童、解消遠く 盛岡市、今春微減270人
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