いや、びっくり、朝、最近ハマってる「ひよっこ」、最後のお父さんへのメッセージの方言が、なんとなくジン〜とくる。
懐かしいような、ほのぼのするような、また、寂しいような、
さらに、時代背景が、高度成長期、なにからなにまて、イケイケだったわけじゃない、金の卵ともてはやされた面しか知らないのだが、じつさいは、大変な時代だってんだなぁと改めて知らされる。
年配者には、辛い過去の人もあるんだろうとだから、あまり、視聴率が、伸びない?
物悲しい時代を見ているようで…
いろいろと考えさせられる久々のマイヒット。
さらに、オリジナルの脚本。
有名人を題材にしていないので、展開が読めない…!
新鮮さをかんじ、させる朝ドラ。
ということで、結構ユニークキャラのひと、名前はこの記事で知ったのだが、すみこ。
お気に入りキャラ。
ちなみに今日、月曜日で、別離…(−_−;)
というのだが、す、み、こ、
堺市出身…!!(◎_◎;)
『ひよっこ』でブレイク 松本穂香が明かす「青天目澄子の秘密」
6/4(日) 11:00配信
文春オンライン
NHKの連続テレビ小説『ひよっこ』。各地から集団就職で上京してきた“金の卵”が集まる乙女寮の中でも、ひときわ個性を放つのは福島出身の15歳の女の子・青天目澄子(なばため・すみこ)だ。彼女を演じているのは、現在20歳の新進気鋭の女優、松本穂香さん。澄子役でブレイクし、今や一気に注目を集める松本さんに3回に渡ってロングインタビュー。
1回目となる今回は、『ひよっこ』の現場の裏話や役作りの苦労話などを伺った。あらゆる方言が飛び交う現場の難しさとは!?
◆
食べる演技も、寝る演技も、結構大変なんですよ
――松本さんが演じられている青天目澄子さん、乙女寮の中でもひときわ個性的な役どころですね。
松本 福島出身の15歳の女の子。いつもボーっとしてますよね。それであとは寝てるか食べてるか(笑)。台本を頂くたびに、どんどん食いしん坊になっていくんです。食堂での食事シーンでも、みんなが喋っていても澄子だけはとにかく食べる役回り。1食で2回はおかわりをしますからね。
――撮影でも実際に召し上がっているんですよね?
松本 次々に食べますからね。
――意外とハードな……。
松本 お昼休憩でももちろん何も食べないで(笑)。
――もうひとつの澄子の個性といえば“寝ること”。他のみんなが喧嘩をしていてもずっと寝ていたシーンは印象的でした。
松本 有村(架純)さん演じる主人公のみね子さんをめぐって、みんながケンカになっちゃう場面があったのですが、みね子さんが寝たふりをしながら耳をそばだてていて「起きたい……」と心の中で呟くあのシーン。澄子はあのシーンでも寝てるわけですけど、私も「起きたい」という感じでした(笑)。
――寝る演技って難しいものなんですか?
松本 寝ているだけでいいと思われるかもしれませんが、けっこう大変なんですよ。動いちゃいけないですし、それにずっと寝る演技を続けていると、不思議なものでだんだん本当に眠っちゃう。口が半開きのほうがいいかなと思ってやっていたんですけど、意識が途切れてくると口が閉じちゃうんですよ(笑)。お芝居で寝るのは結構難しいものなんだと思いました。
青天目澄子の家族写真に秘められた「父との距離」
――そんな感じで、寝て食べて、マイペースな澄子ですが、松本さんから見て澄子はどんな子なのでしょうか。
松本 本当にいい子だと思います。あとは好きなものが多い子だなと。食べる、寝る、そして歌う。単純ですけど、生きていく上では大事なことだと思います。ストレスもたまらないですし。
――でも実は澄子の背景は結構複雑なんですよね……。
松本 そうなんです。本当のお母さんが亡くなってて、新しい若いお母さんが家に来てるんです。だから兄弟はみんな連れ子。家族で写っている写真がちょっとだけ出てくる場面があったんですけど、この写真を撮影するとき、私、少しだけお父さんとの間に距離をとったんです。澄子はおばあちゃんっ子で、おばあちゃんとは手を繋いでいるんですけど、お父さんや新しいお母さんには距離感があるはずだと思って……。
――ボーっとしているように見えて、いろいろなものを抱えて東京にやってきた役どころなんですよね。
松本 田舎の家には居場所がない感覚です。それで東京に来て、やっと居場所ができたという。舎監の愛子さんのことを「お母ちゃんみたいだね」と言うのも、何も考えていないように見えて澄子なりにいろいろ辛い思いをしてきたから。いつも寝ている澄子が、ひとり夜中に起きてておばあちゃんを思って泣いているとか……。なんだか悲しくて。だけど、寝たら忘れちゃう澄子の性格って大事で、強い子でもあるんです。辛いことがあっても、寝たり食べたり歌ったりして、乗り越えてきた。
――もしかしたら、乙女寮の中でも一番強いハートを持っているのが澄子なのかもしれませんね。
松本 いくら寂しくても田舎に帰るという選択肢は澄子の中にはないので、仕事は明日からも続くわけで。
福島弁の訛りを覚えるために……
――ドラマの中ではいろいろな地域の方言が飛び交っていますが、ご苦労はありますか?
松本 秋田、福島、青森、山形、茨城とみんな違う方言ですから、イントネーションが他の人の訛りに引っ張られることもあります(笑)。ひとりずつ方言指導の先生がついていてくださるんですが、先生がセリフを喋っている音源を繰り返し聞いて訛り方を覚えてます。リハーサルから現場にいてくださるので、リハが終わると先生たちがぞろぞろ出てきて、ひとりずつ「あそこは違う、言ってみて」とか(笑)。方言のデパートです。
――それではアドリブは難しい……。
松本 余計なことを言って方言が間違っていたらNGですから最悪です(笑)。アドリブといっても、せいぜい銭湯帰りに歌を歌っているときに空を見て「きれいだね」くらいかな。それもテストの段階で言ってみて、先生に確認して、という感じだったので、純粋なアドリブはほとんどないと思います。
――松本さんご自身は大阪のご出身ですよね。
松本 はい。普段は普通に関西弁です。流暢ですよ(笑)。関西の方とお仕事で一緒になるとつい出ちゃいますね。だけど、仕事では役のこともあるので気をつけています。
――確かに気をつけないと、時子さんのオーディションみたいになっちゃう……。
松本 早口言葉の「武具馬具武具馬具三武具馬具」のところとか(笑)。あそこ面白いですよね、大好きなシーンで大笑いしちゃいました。
『ひよっこ』でブレイク 松本穂香が明かす「青天目澄子の秘密」
6/4(日) 11:00配信
ナポリタンを見て「真っ赤なうどんだ!」と思ってた時代
――他に役作りで心がけたことは?
松本 スタッフの方が用意してくださった舎監さんの本や資料を読ませてもらいました。当時トランジスタラジオ工場で働いていた人たちが今でも仲が良くて、同窓会を毎年開いているお話とか。ナポリタンを初めて見た時に「真っ赤なうどんだ!」と思ったっていう話なんかもあって面白かったです。何もかもが今とは違う時代なんだなあと。
――寮に入った日に出たカレーにみんな驚くシーンがありましたよね。
松本 お肉がたくさん入ったカレーなんて、田舎じゃ食べられなかったんだと思います。卵があるだけで嬉しい。それに、澄子や青森出身の豊子は中学を卒業して15歳で東京に出てきてますから……。
――ご自身でも15歳で上京なんて考えられない?
松本 もちろん。ましてやその当時はスマホなんてないですからね。それにお金もかかるし新幹線があるわけでもないし、今みたいに簡単には帰れない。相当な覚悟を持って東京に来ているはずです。だから澄子もボーっとしているように見えて芯が強くて肝の据わった子なんだろうなと。
――現実でもなかなか大変なことは多かったようですからね。
松本 ホームシックになる子もいっぱいいたみたいですしね。乙女寮のようにうまくいくばかりではなかった。田舎の方では電話がない家もあったわけですから、みんなスマホを持っている今とは大違い。でも、だからこそみんなが仲良くなるスピードが早いのかなと、台本を読んでいて思いました。みんな田舎から出てきて、居場所はそこしかない。家にお金を送るという目的も一緒だし、スマホがないから逃げ出す場所もない。乙女寮のみんながあっという間に仲良くなるのも、不自然なことではないんでしょうね。自分が生まれていない時代のことを知って、その時代に生きた人を演じるって本当に勉強になるし、楽しいって思っています。
◆
次回は松本さんの高校時代、演劇部での青春についてお話を伺います。
まつもと・ほのか/1997年生まれ。大阪府堺市出身。主な出演作品に映画『青空エール』(16年)、『MATSUMOTO TRIBE』(17年)、主演舞台『ヨミガエラセ屋』(16年)、テレビドラマ『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』『ひよっこ』など。
写真=鈴木七絵/文藝春秋
「冷凍マグロ役」だった松本穂香が『ひよっこ』で夢を叶えるまで
6/5(月) 11:00配信
文春オンライン
NHKの連続テレビ小説『ひよっこ』。各地から集団就職で上京してきた“金の卵”が集まる乙女寮の中でも、ひときわ個性を放つのは福島出身の15歳の女の子・青天目澄子(なばため・すみこ)だ。彼女を演じているのは、現在20歳の新進気鋭の女優、松本穂香さん。澄子役でブレイクし、今や一気に注目を集める松本さんに3回に渡ってロングインタビュー。
2回目は松本さんのデビュー前、演劇部に所属していた高校時代のお話を中心に、ドラマ『あまちゃん』や有村架純さんへの思いを語る!
◆
演劇部はオタクの男の子もいて楽しそうだったから
――高校時代は演劇部だったとか。
松本 そうなんです。高1から高3までずっとやっていました。
――小さい頃から演劇、お芝居に興味があったんですか。
松本 いや、それとはちょっと違うんです(笑)。高校に入学して、最初は軽音部か演劇部かで悩んで。軽音は単純にカッコイイ。ベースに憧れてたんです。クールでカッコいいイメージがあって。ただ、実際に見学してみると軽音部は私には向いていないかなと思いました。むしろ演劇部は変わった人ばかりがいて、ものすごく興味を持ったんです。アニメオタクだったり、サバゲーにハマってる男の子だったり、いろんな人がいて楽しそうだった。そういう中にいたら、自分も何をしていたって自由だし、楽じゃないですか。
――「みんなで一緒にやろう!」と何かを強制されることもあんまりなさそう。
松本 そうです、自分が好きなものに対して、恥ずかしいと思わずに好きといえる。そういう環境がいいなと思って演劇部に入ったんです。
――その選択が運命の分岐点だったわけですね。
松本 お芝居するのはまったく初めてだったんですけど、楽しかったです。喧嘩をしたこともあったけど、そういうのも含めて(笑)。オリジナルの脚本で、演劇部の大会にも出たりしていました。デビュー作は……高1のときに孤高の歌姫みたいな役だったと思います。そう言うとなんだかミステリアスですけど、お話はかなりギャグっぽくて、テレビ番組に出たらいろんな出来事が起こるという悪ふざけみたいなものなんですけど(笑)。
――そこは関西の学校の演劇部ということで……。
松本 笑いをとりにいこうとしがちなんですよ(笑)。今振り返ると、コントのネタみたいなものばかりやっていたと思います。でも、やってみてわかりました。笑いをとるのは本当に難しい。すべってばかりでしたね。
出オチですよね、完全に。
――印象に残っている役は?
松本 マグちゃん。マグロの女の子です。築地から逃げてきた冷凍マグロが主役のお話で、私がそのマグロをやったんです。被り物をして、女の子なのでリボンをつけて。出オチですよね、完全に。それがとても受けたので、印象に残っています。おかげで、その後もずっと言われ続けました。校内を歩いていても、「あ、魚の子だ」って言われたり。マグロでもなくて魚なんだっていう(笑)。
――マグちゃん……なかなか振り切れた役ですね。
松本 そういうのが気持ちいいんです。私はクラスでも目立つタイプじゃなくて、手を挙げて発言することもなかった。でも、舞台では振り切って自分を出せるというか、そういう感覚があって楽しかったんです。
高校時代は私だけずっと「松本さん」でしたから(笑)
――ステージに立って振り切れていたなら学校でも目立って、さぞかしモテたんじゃないですか? ファンもついたりして……。
松本 いやいやいや! まったくなかったです。一切モテないです。高校生だから男子も女子も下の名前で呼び合ったりしているんですけど、私だけずっと「松本さん」でしたから(笑)。特定の女子のグループにも入っていたわけではないし……。マイペースなタイプでした。喋りかけるなオーラを出していると言われ続けていたんです。人見知りが入っていたのかもしれないですね。
――だからこそ演劇部で弾けて。
松本 ステージの上でふざけたことをやって、違う自分を出せて。でも文系で演劇部ですから、すごくインドアな感じですね、私(笑)。
『あまちゃん』ではストーブさんが好きでした
――そんな高校時代に、『あまちゃん』を見てどハマりしたらしいですね。
松本 高校2年生でした。すごいハマって、友達と毎日「今日ここが面白かったよね、あの小ネタとか」みたいな話をしてました。1話がたった15分なのに、泣いて笑って、すごく濃密。最後になるともう嗚咽ですよ(笑)。
――登場人物では誰が好きだったんですか?
松本 誰か選べないくらいみんな魅力的なんですけど……ストーブさんとか好きでした。なんかダメなんだけど応援したくなる。頑張れ、みたいな(笑)。
――小池徹平さんが演じてた役ですよね。理想の男性のタイプもストーブさんのような……。
松本 いえ……ちょっと違います(笑)。自分が支えてあげないとダメだなっていうパターンの人ですよね、ストーブさんは。
――どちらかというと頼れる人が好きなタイプ?
松本 一緒にいて楽しくて、尊敬できる。今は年上の方のほうが憧れますね。
――『ひよっこ』の登場人物で言うとどの男性が……。
松本 う~ん、難しい(笑)。合唱指導の先生は頭でっかちでシンプルにダメだし、おまわりさんも警察官なのにいい人すぎる(笑)。ライン長もああ見えて意外と頼りなさそう。あ、みね子のおじいちゃん、いいですよね。
――古谷一行さんが演じられている。
松本 落ち着いていて、それでいてみんなを見守っている。頼れる感じですよね。あとは和久井映見さんが演じる愛子さん。チャーミングでいいことを言うときはホントにジーンとしちゃうほどステキです。
澄子と私が似ているのは、岡田惠和さんのおかげ
――『あまちゃん』がきっかけで本格的に女優への道を?
松本 はい。そこから本格的にやりたいと思うようになって、応募して事務所に入りました。
――そして今ではご自身も朝ドラに出演されている。朝ドラに憧れた女の子が数年後には出演しちゃうというのがすごい話ですね。
松本 ずっと朝ドラに憧れていたので、今回出演させていただいたことはすごく幸せなことですね。『ひよっこ』のオーディションでは脚本の岡田惠和さんもいらっしゃっていて、澄子の役も私にあわせて「あて書き」みたいにして書いてくださっているんです。だから私も澄子に似ているところがあるなあって。岡田さんとは一度だけ会って、ちょっとお芝居を見ていただいただけなんですが、すごいって思います。芝居はそれだけ人が出るものなんだと改めてびっくりしました。
――『ひよっこ』主演の有村架純さんは憧れの存在とか。
松本 すごく尊敬しています。お会いしてお話をするたびにすごいなあと。まだ24歳で私より4つ年上なだけなのに、どっしりとした力強さ、安心感。本当に尊敬できる憧れの先輩です。同じ事務所の先輩なので、撮影の見学とかにも行かせてもらっていたんですけど、そのときも優しくしてくれて……。誕生日プレゼントをくれたりして、本当に優しい方なんです。
いつか宮藤官九郎さんの作品に出演してみたい
――有村さんとは『ひよっこ』以前にも共演されていますよね。
松本 『いつ恋』(『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』)に少しだけ出させていただいて。でも、あのドラマでは絡むことがあまりなくて、ガッツリ一緒にやらせていただいたのは『ひよっこ』が初めてですね。
――アドバイスを貰うことも?
松本 見ているだけで勉強になることがたくさんあるし、すごく頼りになります。自信が持てなくて悩んでいる時に、「みんな澄子のことが大好きだから、大丈夫だよ」と言ってくださったのはとても嬉しかったです。
――ちなみに、有村さんは『あまちゃん』にも出ていましたが、その時はどう見ていましたか?
松本 『あまちゃん』のときは完全に役として見ていて、有村さんというよりは春子でした。なので、春子の有村さんと今お会いしている有村さんが同じだということがピンとこなかったり(笑)。だからこそ、そのドラマの世界の中で生きていたんだろうなと改めて思います。すごいなあと。
――きっと、今も『ひよっこ』で澄子を演じる松本さんを見てそう思っている方もいると思いますよ。
松本 どうなんでしょう。そうだとうれしいです(笑)。
――『あまちゃん』以外に大好きで観ていたドラマはありますか?
松本 『ごめんね青春!』も好きでした。
――『あまちゃん』と同じく、宮藤官九郎さんの脚本ですね。
松本 そうなんです。大好きなんです。いつか宮藤さんの作品にも出演できたらいいなあ……って思ってます。
◆
次回は松本さんの「上京物語」をじっくりと伺います。
まつもと・ほのか/1997年生まれ。大阪府堺市出身。主な出演作品に映画『青空エール』(16年)、『MATSUMOTO TRIBE』(17年)、主演舞台『ヨミガエラセ屋』(16年)、テレビドラマ『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』『ひよっこ』など。
写真=鈴木七絵/文藝春秋
『ひよっこ』女優・松本穂香に聞く「新幹線」と「集団就職列車」
6/6(火) 11:00配信 文春オンライン
『ひよっこ』女優・松本穂香に聞く「新幹線」と「集団就職列車」
『ひよっこ』女優・松本穂香に聞く「新幹線」と「集団就職列車」
NHKの連続テレビ小説『ひよっこ』。各地から集団就職で上京してきた“金の卵”が集まる乙女寮の中でも、ひときわ個性を放つのは福島出身の15歳の女の子・青天目澄子(なばため・すみこ)だ。彼女を演じているのは、現在20歳の新進気鋭の女優、松本穂香さん。澄子役でブレイクし、今や一気に注目を集める松本さんに3回に渡ってロングインタビュー。
3回目は、上京物語の『ひよっこ』にちなんだ松本さんの上京物語。地元・大阪から新幹線で通っていた頃の思い出、そして憧れのアーティストの話まで伺いました!
◆
『ひよっこ』女優・松本穂香に聞く「新幹線」と「集団就職列車」
『ひよっこ』女優・松本穂香に聞く「新幹線」と「集団就職列車」
新幹線の車窓を眺め、ひとり音楽を聴きながら大阪に帰った日
――本格的に東京に出てくるまでは、大阪から通っていたそうですね。
松本 そうなんです。オーディションがあるとひとりで新幹線に乗って東京に来て、終わったらすぐに帰る。ずっとその繰り返しでした。マネージャーさんが来られない日だったら、オーディションの面接の方にしか会わずに、また真っ直ぐ大阪に帰るときもありました。東京に滞在している時間よりも新幹線に乗っている時間のほうが長いときもありましたよ。
――うまくいかなかった日は落ち込むこともあったり?
松本 オーディションによっては、選ばれた人はその場にそのまま残ってくださいみたいなことがあるんです。だから残れずに帰らなきゃならない日はガーッと落ち込んで。帰りの新幹線でちょっと泣いたりしたこともありました。そんな日は帰りの2時間半がとにかく長く感じるんです。行きは目的があるからまだいいけど、帰りは「まだ名古屋か……」みたいな(笑)。それに私は乗り物酔いすることもあるので、そういうときはとにかく耐え忍ぶ。すでに暗くなった窓の外を眺めながら、ひとり音楽を聴いたりして……。
――音楽はどんな曲が好きなんですか?
松本 キュウソネコカミさんが好きでよく聴きます。グリコさんのビーフカレー「LEE」のWebCMに出演させていただいた時に、監督さんに「どのバンドが好き?」と聞かれて答えたら、「LEE」のイメージ曲のためにキュウソネコカミさんが書き下ろしてくださったんです。それまでも自分でライブには行っていたんですが、「LEE」がきっかけで招待してもらうようになって。
――ファンだったのが図らずも共演することになり、交流も持てたってすごいですね。
松本 そうですよね、とりあえず言っておくって大事だなと思って(笑)。言わないと始まらない、遠慮してもしょうがない。
奥多摩よりもっと遠くへ行きたい!
――他にはどんなアーティストが好きなんですか?
松本 サカナクションさんもよく聴きます。歌っていて気持ちがいいので!
――あ、カラオケも好きなんですか?
松本 たまに行くんです、ひとりで。ストレス発散ですね。1時間とか1時間半くらいですけど。ひとりだからいっぱい歌い放題。だから1時間も歌ったらふぅ……ってなっちゃう(笑)。それくらいなんですけどね。
――最近はお忙しくなってきてお休みも少なくなっていると思いますが、長い休みがあったらどんなことがしたいとかありますか?
松本 う~ん、自然があるところに行きたいです。山だったり。
――じゃあ、中央線に乗れば一気に奥多摩まで行けますよ!
松本 もっと遠くに行って現実逃避したいです。でも日帰りで十分ですね。泊まったりすると「こんなことしていていいのか」と焦っちゃいそうですし。あとは映画を見たり、それくらいですね。
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『ひよっこ』女優・松本穂香に聞く「新幹線」と「集団就職列車」
「週刊松本穂香」より
もしかしてテツですか?
――松本さんは独特な雰囲気のInstagram「週刊松本穂香」を毎週更新してますよね。写真に地下鉄とか新幹線がちょくちょく登場しているので、もしかして鉄道が好きなのかな? と思ってたのですが、もしかしてテツですか?
松本 あはは。残念ながら違うというか……、詳しくはないです。あのインスタは「普段、日の目を見ないもの」をテーマにしているんですが、ネタがなくなったときに身近なものをテーマにすることがあるんです。そんなときに乗り物がテーマだとおもしろいかなと、たまに撮影場所にしてるんです。本当に結構ネタに困ってるんですよ(笑)。なにせ毎週なんで。
――写真も雰囲気があっていいですよね。
松本 ステキなんです。全部マネージャーさんが撮ってくださるんですけど、さすがですね(笑)。
――残念ながら鉄道好きではないようですが(笑)、『ひよっこ』でも集団就職列車や上野駅が登場しました。撮影していてどう感じられましたか。
松本 集団就職列車は固い椅子で何時間も座って……ですからね。お尻は痛くなりますよ、絶対。だから新幹線に文句言ってちゃダメですね。「まだ名古屋か」なんてダメ(笑)。改めて本当に便利な時代になったんだなと感じさせてくれます。
――でも不便な時代でもそれなりの良さがあった。
松本 そうなんですよね。人と人のつながりみたいなものは、『ひよっこ』の時代のほうがありがたみがあったのかなと思いますね。澄子みたいなマイペースな子だと、今の時代じゃついていけないんじゃないですか。絶対まだガラケー使ってると思います(笑)。
――上野駅のシーンもとてもリアルでした。
松本 上京してくるところで、上野駅で舎監の愛子さんと、同じ15歳で青森から出てきた豊子と出会う。上野駅の場面はオートレース場でロケをしたんですが、セットもすごく細かくて列車の行き先とか書かれた看板や貼り紙とかも再現されてました。でも、澄子の立場で演じると怖かったです。いろんな音や物で溢れかえっていて、とにかく怖い。田舎から出てきたばかりの15歳ですからね。
――集団就職で上京してきた人たちは、上野駅に故郷を感じるという話もありますが……。
松本 それはのちのちになってからだと思います。演じてみて実感しましたけど、最初は……やっぱり怖いと思います。あんなにたくさん人が行き交っている場所は、田舎にはないわけですから。東京に慣れて、仕事に慣れて、落ち着いてきてから上野駅に行くと、「ここからはじまったんだな」と懐かしい気持ちになれるのかもしれないですが、澄子たちはまだまだでしょう。
新大久保に行くと鶴橋を思い出します
――松本さんには上野駅のような“故郷を感じる場所”ってありますか。
松本 そうですね……故郷とは違うかもしれませんが、新大久保に行くと大阪の鶴橋を思い出したりします。ごちゃごちゃした感じとか。ただ、私は大阪なので人混みとかには慣れてました。でも東京のティッシュ配りの方の勢いにはびっくりしました。無理やり投げつけてくるような感じで、ちょっと怖いです(笑)。
――地元は大阪のどちらなんですか。
松本 堺です。古墳だったり、与謝野晶子の出身地でも有名なのかな。あと刃物。刃物の生産でも有名なんですよ。すぐに難波とかにも行けるし、地元でもなんでも揃うし、だから東京とのギャップもあまり感じなかったです。でもギャップがないって言えるのは澄子の生きていた時代との差、ですよね。同じように上京しても、今とはいろいろなことが違いすぎるなと思います。
――澄子を演じてみて時代の変化、違いがわかるってことなんですよね。
松本 澄子たちの故郷を思う寂しさとかも、正直今の私の感じるものの比じゃないんだと思います。澄子は複雑な家庭事情ですし、大好きなおばあちゃんは字が読めない。だから手紙を書いても読んでもらえないのかなとか。そうなると寂しさのレベルは違うんですよね、きっと。でも、私も寂しいなと思うことはあるから、そういうところは澄子ともリンクさせられたらと思ってやっています。
兄にはLINEもあんまり送らないですね(笑)
――松本さんは家族に手紙を書いたりしないんですか?
松本 手紙が来たら何事かってびっくりするんじゃないかな(笑)。家族にはLINEはするけど手紙はまだ書いてないですね……。8歳上の兄がいるんですけど、兄にはLINEもあんまり送らないですね(笑)。いつ結婚するんだろう、とか思ったりはしてるんですけど。
――最後に、今後の演技以外での目標を聞かせてください。
松本 友達づくりです……。高校の同級生とかもほとんど大阪の地元志向で、東京にまだあんまり友達がいないんです。でも『ひよっこ』で一緒になった子とお茶に行こうみたいな話はしています。いろいろお仕事をさせてもらって、徐々にいろんな人と出会うようになって、これからはちょっと友達づくりにも励んでいきたい。カラオケも友達と行ってみたいです(笑)。
◆
まつもと・ほのか/1997年生まれ。大阪府堺市出身。主な出演作品に映画『青空エール』(16年)、『MATSUMOTO TRIBE』(17年)、主演舞台『ヨミガエラセ屋』(16年)、テレビドラマ『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』『ひよっこ』など。
以上引用
堺東京交流会に呼んであげたら?
東京事務所、お願いね