堺の土居川 /大阪
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戦国時代に西欧のキリスト教宣教師らから「自由都市」として紹介された堺。そのシンボルが町を取り囲んでいた土居川だ。いつからあるのか明らかではないが、応仁の乱以降、戦国の世が始まるころに築かれたらしい。当時は現在の場所より内側にあったが、江戸時代に大坂夏の陣で埋められたという。その後、町が整備されると新たに土居川が造られた。以降400年、堺の中心地を囲んでいた。
写真は1965年の撮影。この頃は土居川にとって受難の時期だった。「大阪のふるさと」として企画された記事中では、幅5メートルぐらいの汚れたドブ川としか思えないと書かれている。都市化が進むにつれ排水で汚され、雨以外に流入する水がないため、汚水が滞留していたからだ。戦前はフナが泳ぎ、岸にはヤナギが植えられていたと記されているのに。
撮影場所である東側の土居川は埋め立てられ国道26号線になった。今も残っている土居川は改修事業と排水規制で水質が向上し、生き物も見られるようになった。【加古信志】
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