あめで「なにわの伝統野菜」を応援したい――。大阪府堺市のさくらフーズ(株)が製造販売する、伝統野菜を原料にしたあめが人気だ。「田辺大根」「天王寺蕪(かぶら)」など8種類あり、「手作り工房 堺あるへい堂」というブランド名を付けて展開する。あめは、府が認証する「なにわの伝統野菜」入りで、質感や味を残そうと種類によって乾燥粉末を練り込んだ。あめを通して「伝統野菜の魅力を知ってほしい」との願いを込める。
考案したのは、同社統括部長の岡田明寛さん(58)。大阪市の製菓店であめ作りの修業を経て、3年前に堺市で工房を立ち上げた際、「特徴がある商品を作りたい」と考えた。岡田さんは、農家らでつくる「なにわの伝統野菜応援団」にも所属し、原料は市内の契約農家から仕入れている。
後継者も生まれた。2月から修業を始めた山香尚樹さん(37)は「早く作り方を覚えて技術を継承したい。あめで地域活性化に貢献したい」と張り切る。今後は農家と相談しながら種類を増やしていく計画だ。
価格は1袋(5個入り)200円。店頭や堺市の観光案内所、関西国際空港などで販売する。
日本農業新聞