国家公務員と業者とのゴルフ解禁？ 倫理規程改定を検討
人事院の国家公務員倫理審査会は、国家公務員が利害関係者とゴルフすることを禁じた「国家公務員倫理規程」について、改定すべきか検討を始めた。与野党でつくる「超党派ゴルフ議員連盟」が昨年十一月、政府に見直しを求めたため。だが、業者との不透明な関係につながりかねないという慎重な声もある。
規程は禁止行為の一つとして、公共事業を受注している企業の役員など職務上関係する人とのゴルフを明記している。接待だけでなく、割り勘でも禁止だ。
議連は「ゴルフだけ名前を挙げて禁止しており、誤解や偏見を与える」と指摘。該当部分の削除を要請した。ゴルフがリオデジャネイロ五輪から実施競技になることを受け、遠藤利明五輪相も昨年十一月の記者会見で改定に前向きな認識を示した。
改定しても、接待などの利益供与が禁止なのは変わらない。しかし審査会が、意見を聞くため今年二月に開いた有識者懇談会では「ゴルフは接待のイメージが強い」といった意見が出た。割り勘でも癒着の温床になるとの懸念に加え、公務員の不祥事が後を絶たない中、規程を緩めることへの抵抗感もある。
改定には審査会が意見をまとめた後、閣議決定が必要だ。実現すれば、国家公務員を参考に各自治体が定めている地方公務員の規程にも影響が出そうだ。審査会は今後、職員や企業へのアンケートで、改定を求める意見がどの程度あるのかなど実態を把握する。