国土交通省は1日、大阪湾岸道路(阪神高速湾岸線)の西伸部(神戸市東灘区-長田区、約14・5キロ)の建設事業を今年度内に始めると発表した。総事業費は約5000億円。今年度は、予算計上した1億円で測量設計に取りかかる。
事業化区間は湾岸線の六甲アイランド北(東灘区)-駒栄(長田区)間で、全6車線をすべて高架にする。並走する阪神高速神戸線の慢性的な渋滞の緩和や、国道43号沿道の環境改善が期待されている。
今後、国や県、神戸市、阪神高速で費用分担を調整し、測量設計を終えた区間から用地買収交渉に入る。【井上元宏】
大阪湾岸道路(阪神高速湾岸線)西伸部の六甲アイランド北(神戸市東灘区)-駒栄(同市長田区)の14・5キロについて、国土交通省は1日、2016年度の新規事業化を発表した。総事業費は約5千億円。完成までには10年程度かかるとされ、既存道路の渋滞解消や経済活性化などが期待される。
同日発表した公共事業予算の配分(箇所付け)で、同区間に測量設計費1億円を計上した。工事着手は17年度以降になるという。計画では全線を高架構造の6車線とし、ポートアイランドと六甲アイランド内は主に既存道路の上を、和田岬(同市兵庫区)から西は護岸沿いを通る。
西伸部は、阪神高速神戸線が慢性的に渋滞していることから、兵庫県や神戸市、経済界が早期整備を要望。国交省の試算では、同区間が完成すれば、玉津インターチェンジ(同市西区)-大阪駅間の所要時間が32分短縮される。物流効率化による企業立地の促進などにもつながるとする。
今後は、国や県、神戸市、阪神高速道路会社で費用負担の枠組みなどが協議される。(斉藤正志)
【大阪湾岸道路西伸部】関西国際空港近くのりんくうジャンクション(JCT)と神戸淡路鳴門自動車道垂水JCT(神戸市垂水区)を結ぶ大阪湾岸道路の未整備区間(約21キロ)。1994年に六甲アイランド北(同市東灘区)まで開通し、2009年に六甲アイランド(同市東灘区)-駒ケ林(同市長田区)の14・5キロが都市計画決定されたが、巨額の費用などが影響し、事業化が遅れていた。