熊本県を中心に相次ぐ地震を受け、在京テレビ各局は予定していた番組を差し替え、報道特番を放送するなどの対応に追われている。東日本大震災の教訓を生かし、ニュース番組をインターネットで無料配信し、テレビが見られない環境でも視聴できるようにする取り組みも目立つ。
NHKは17日、「のど自慢」などの番組を休止し、地震関連情報を長時間にわたって放送。フジテレビも同日、安倍晋三首相がゲスト出演した事前収録の情報バラエティー番組「ワイドナショー」に代わり、特番で被災地の状況を伝えた。
スポンサーが地震被害を考慮してCMの放送を見合わせ、ACジャパンの公共CMに差し替えられるケースも増えている。携帯電話会社も災害用伝言板の利用方法を伝えるCMに切り替えて放送している。
ドラマの休止も相次ぎ、14日放送予定だったフジ「早子先生、結婚するって本当ですか?」や16日放送予定だった日本テレビ「お迎えデス。」の初回放送が延期となった。17日からは徐々に通常の放送に戻す民放が増えたが、多くの局は「状況を見て臨機応変に対応する」としている。
一方、多くのテレビ局は今回、ニュース番組をネットで無料公開した。NHKは14日夜から総合テレビのニュースを公式サイトで同時配信。東日本大震災を受けて必要性が議論され、放送法改正で昨年4月から可能になった緊急時の取り組みで、NHK幹部は「テレビのない場所でもスマホなどで最新ニュースを見ることができる」と話す。
民放もスマホなどで視聴できるニュース専門局のフジ「ホウドウキョク」や、テレ朝とIT大手、サイバーエージェントの「AbemaTV」が、テレビ放送と異なる独自の報道番組を配信。日テレとTBSも動画サイトで一時、ニュースを同時提供した。