大阪)100年周期の一期一会 堺で黒竹咲く
村上潤治
2016年5月10日03時00分
堺市南区槇塚台の下西(しもにし)貞男さん(77)宅の庭で、黒竹(クロチク)の花が咲いた。専門家によると、100年くらいの周期で咲くもので極めて珍しいという。下西さん宅には近所の人たちが見学に訪れ、カメラに収めていた。
妻の政代さん(71)が4月末、鉢植えの黒竹の新芽の先に稲穂の先のような花を見つけた。14本中12本に花が咲いた。約40年育ててきたが初めてという。黒竹は咲いても実はつかず、竹は枯れてしまう。貞男さんは「枯れるのは残念だが、一生に一度見られるかどうかのもの。びっくりしたし、幸せだ」と話した。
竹類研究家で蓼科笹類植物園(長野県)の柏木治次理事(64)によると、黒竹はイネ科で淡竹(ハチク)の変種。黒竹と母種の淡竹は数年前から開花の報告がある。淡竹は1900年代初めごろに各地で開花した記録があり、淡竹、黒竹ともに1世紀ぶりの開花の周期に入った可能性もあるという。(村上潤治)