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維新、「円満離婚」とは程遠いドタバタの内幕

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東洋経済オンライン

維新、「円満離婚」とは程遠いドタバタの内幕

安積 明子:ジャーナリスト
両グループは、『維新の党』円満解決合意基本事項」と題された合意書に署名した

揉めに揉めた「維新の党」と「おおさか維新の会」が、12月8日になってようやく「解党」をすることで合意した。国会内で維新の党の松野頼久代表と今井雅人幹事長が「維新の党 松野グループ」代表として、おおさか維新の会の片山虎之助参院議員と馬場伸幸衆院議員が「維新の党 橋下グループ」代表として、「『維新の党』円満解決合意基本事項」と題された合意書に署名した。

わざわざ「円満」との文字を入れたところが、相手方を「偽物」とののしり、裁判に訴え、検察にまで告訴した双方の関係の微妙さが伺える。

「円満」解決の合意事項とは?

合意の内容は以下の通りだ。

1. 野党再編のためにお互いが協力して進めること。
2.「維新の党」は円満解散する。
3. 新党結成後の新党名については「維新の党」は野党再編時まで「維新の党」名を継続する。「おおさか維新の会」はそのままの名称を継続する。
4. 今年の「維新の党」へ交付された政党交付金残高の中から、両新党が必要な金額を精算し、残金はすべて国庫に返納する。
5. 一般党員から集められた党費についてはすべて返還する。

書面に署名して片山氏と馬場氏が会場を去った後、松野氏はすっきりした表情で軽やかにこう言い放った。「バカな話だよ。10月にやっておけばよかったのに」。

今回の合意により、10月に凍結された政党交付金はどうなるのだろうか。

合意ができた以上は、凍結された10月分の政党交付金(6億6000万円)は解除され、12月分の政党交付金(同額)は総務省からつつがなく支給されるだろう。

大阪都構想で使われた費用5億円は弁済され、党職員の給与やボーナスも支払われる。松野氏は終始、笑顔だった。これは、代表としての責任がある程度果たされた解放感なのか、それとも前日に民主党との統一会派結成がほぼ決まったことの安堵感なのだろうか。ひょっとして、自分にそっくりな次女が、ミス日本コンテスト2016のファイナリスト13名に残ったことの喜びも含まれているのかもしれない。

ただその言葉には、吐き捨てるような感じも漂った。それは常々、松野氏が「同じ方向を目指した仲間だ。機会があれば一緒にやりたい」とおおさか維新の会のメンバーに“大人の別れ方”を呼びかけていた印象と大きく異なるものだ。

その一方で橋下徹大阪市長も、同日に行われた記者会見で記者に「維新の党」の党名を使うのかと質問され、「『維新の党』なんて、あんなの使ったらダメですよ。そんなセンスの悪いことしません。誰からも相手にされない名前なんてもう。『維新と言う言葉を使わないでね』と言っているだけです」と本音をむきだしにしている。

円満とはほど遠い離婚劇

これらの言葉から感じ取れるのは、「円満」という言葉からほど遠い空気だ。署名後の幹事長会見で今井氏に、「合意事項のうち、何がいちばん困難だったのか」と聞いてみた。今週初めに維新の党の関係者から、「大阪側とは今井幹事長が交渉している。9割まで合意できたが、1割が難しいようだ」という話を聞いていたからだ。

今井氏はちょっと考え、「一般党員からの党費を返す話はすぐまとまった。あとは同じ。並行して協議した」と答えている。こちらが事実なら、交渉は相当困難だったはずだ。さらにいえば、具体的な解党日もまだ決まっていない状態である。

それでも維新の党は民主党との統一会派形成へと動き出そうとしている。その道もたやすいものとはいえない。松野氏を始め維新の党のメンバーの多くにとって、民主党は古巣だ。ただし一部は消費税増税の際に小沢一郎氏と行動を共にし、あるいは民主党が政権から転落した2012年の衆院選で「民主党所属では戦えない」として党を離脱した“前科”がある。

民主党の中にはそんな彼らを「裏切り者」として見ている者もいると聞く。だが彼らとて、しばらくは不満を口にできないだろう。来年夏には自民党だけがずば抜けた1強多弱の構図で参院選を迎えるため、小さなことにこだわってはいられない。

江田憲司氏の動向も気になるところだ。8日に発表された役員表には、江田氏の名前はどこにもなかった。6日に行われた代表選で松野氏が再任された時、松野氏は「水面下で大変動いてもらっている」と江田氏に感謝の言葉を述べるとともに、壇上に上がって一言述べるように求めたが、江田氏はこれをやんわりと拒否している。

それでも江田氏は維新の党で、もっとも実力者であるに違いない。11月11日夜には民主党の前原誠司氏と細野豪志氏と民主党の解党と新党結成を話し合っている。ただこれは岡田克也民主党代表を始め、多くの議員の賛同を得られずに終わっている。

民主との「合併」に向けた高いハードル

民主党と維新の党は、とりあえずは統一会派までは実現するだろう。しかしその先の新党結成となると、さまざまな困難が生じてくる。

たとえば新党の名前だ。松野氏らは「民主党」を断固として受け入れるつもりはない。一方で数の上で勝る民主党側は、維新の党を吸収合併するという意識がある。

最も大きいのは、手続き上の問題だ。「維新の党と一緒になることはやぶさかではない。ただ解党して新党となると、国会議員だけの問題ではなく、地方組織全てを作りなおさなくてはいけなくなる」(民主党関係者)。つまり、支部解散のために急きょ収支報告書を作成しなければならないなど、事務的な作業が膨大になり負担が大きいというのだ。それを一気にすることができないというのが、解党反対派の主張だ。

両党は10日に両院議員総会を開き、統一会派についての意思を決定する予定だが、決して明るい側面だけではない新会派の形成に、国民は期待を抱くことができるのだろうか。



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