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トイレ@「おもてなし清潔トイレ」で訪日客に日本文化発信

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「おもてなし清潔トイレ」で訪日客に日本文化発信

 

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前回の東京大会はユニットバスが生まれたが、2020年の東京五輪・パラリンピックではトイレが注目を集めそうだ。空港や駅では美術館のような内装の美しいトイレがお目見えし、訪日客が写真や動画に収めている。トイレは日本文化を発信する観光資源となるかもしれない。

 成田空港の出国手続きを終えた旅客が行き交う通路の一角で、影絵のダンスが流れる壁がひときわ異彩を放っている。TOTOが昨年4月に開設した世界一美しいといわれるトイレだ。

 代官山蔦屋書店などを手がけたクラインダイサムアーキテクツ(東京・渋谷)がデザインした。富士山や滝などを壁にあしらった10室に、フタの自動開閉や温水洗浄便座が内蔵されたタンクのないトイレなど最先端の技術を詰め込んだ。
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 ガラス張りの壁に設置された発光ダイオード(LED)の大画面に、桜や金魚などを四季折々の映像が流れる。待合場所に映るのはトイレのアニメ映像。「アートトイレ」という言葉が似合う。

 米国から来た女性(28)は「こんなトイレは生まれて初めて! 自宅でも使いたい」と感激した様子。トイレを背後に記念撮影する外国人も多く、国内外から視察が相次いでいる。TOTOには同様のトイレができないか相談が複数から来ており、「清潔さだけでなく、日本文化の発信地として重視されている」(森村望専務)。各地でアートトイレが増えそうだ。

 ハリウッドスターら海外セレブに愛される日本のトイレは訪日客が増えたことで、観光資源になりつつある。

 TOTOの昨年10月の調査では、訪日客の70%が日本のトイレの「温かい便座」に感動したと答えた。「宿泊施設に期待するものは?」との問いに57%が「トイレ」と回答。「接客」(58%)とほぼ同じぐらい高い期待を寄せている様子がうかがえる。

 五輪・パラリンピックの開催を控え、交通機関では急ピッチでトイレの改良が進む。成田空港は20年3月までに全148カ所をリニューアルする。残る和式トイレを全て洋式に変え、100%温水洗浄便座にする。

壁に富士山をあしらったギャラリーのような空間で、最新のトイレが旅客を迎える(成田国際空港のギャラリーTOTO)
 旅客が多い動線上には大きな荷物でも入りやすい化粧スペースを十分設ける。総額50億円を見込む一大事業だが、「必ず1人1回は使うトイレはサービス向上が欠かせない」(細谷桂子営業管理グループマネージャー)。
 東急電鉄にもアートのようなトイレがある。渋谷駅地下に開いたトイレで、ブースごとに内装が異なる。写真家の蜷川実花さんの作品を基にした色鮮やかなパウダールームは、ギャラリーさながらの空間だ。同社は温水洗浄便座付きトイレの導入駅を年度内に12駅から55駅に増やす。

 東京メトロは15年度に3%だった多目的トイレの普及率を17年度までに全駅に広げる。小田急電鉄も今年度中に全70駅の個室トイレをすべて洋式に改修する。

 前回の東京五輪が行われた1964年には、ユニットバスが開発され、一般家庭に風呂が広がるきっかけになった。この年は伊奈製陶(現LIXIL)がスイスから輸入した医療用の温水洗浄便座の販売を始めた年でもある。20年はトイレからどんなエポックメーキングが生まれるだろうか。

(小川知世)

[日経MJ2016年8月22日付]

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