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妊娠や育児を理由にした不利益な取り扱い(マタニティーハラスメント)について、厚生労働省の審議会は21日、防止策を義務化する方向で一致した。しかし、現場ではマタハラと認定されないため別の理由を付けて解雇するなど、手口の巧妙化が目立つ。 「会社は『妊娠したからくび』などマタハラと判定される言葉は絶対に言わなかった。でも、出産や育児で一定期間休まざるを得ない社員はいらないということは明白です」 そう語るのは、妊娠判明後に外資系金融機関を解雇された千葉県の40代の女性だ。女性は平成21年に正社員として入社。1日15時間の長時間勤務で腰痛を発症し、約1カ月間、自宅療養していた際に妊娠が判明した。だが、会社に報告しようとすると、自宅に仕事を持ち帰ったことなどが懲戒対象に当たるとして自宅待機を命じられた。 「ただでさえ体を壊して休んだのに、妊娠や育児でまた休むなどとんでもないと思われたのでしょう」と女性。妊娠した契約社員は契約更新されないなど、職場ではマタハラが常態化していた。 女性もまた、「解雇されると次の仕事が探しにくいから、自分からやめたらどうか」などと退職勧奨を受けた。人事担当者が最寄り駅に押しかけ、退職金の上乗せを持ちかけてきたことも。断ると、「能力不足」のため解雇すると告げられた。「半年ごとに人事考課が行われてきたが、入社してから一度も能力について何か言われたことはない。会社は解雇の理由を創作したのでしょう」 女性はマタハラに悩む女性の支援団体「マタハラネット」や弁護士に相談。今年7月、解雇撤回を求めて提訴した。女性は、「会社は法律違反とされないようマタハラを隠す。証明するのは難しいが、泣き寝入りしないで」と訴えている。産経ニュース
マタハラ隠し巧妙化…解雇理由“創作”も 「育児で一定期間休む社員はいらないこと明白」