京都新聞
図書の貸し出し継続へ ウィングス京都、市民の要望強く
ギャラリー開設に伴い、図書業務の見直しを進めている京都市中京区のウィングス京都について、京都市は、終了する予定だった図書の貸し出しを当面、継続することにした。図書業務の大幅縮小を発表して以降、貸し出し継続を願う声が寄せられたため。
同館の図書情報室は、女性問題や男性学など男女共同参画に関連した図書や資料を中心に所蔵するが、開館から20年以上を経て、貸し出し冊数や新規利用登録者は伸び悩んでいる。そのため京都市は、スペースの約半分を有料ギャラリーに転用する計画を打ち出し、2月市会で条例を一部改正。約7万冊ある蔵書を約2万冊に絞り、貸し出し業務は終了するとした。
京都市の方針に対し、3月には大学教授や弁護士、女性団体の代表ら約20人が「京都の男女共同参画を考える会」の名前で縮小計画を見直すよう要望書を提出した。市民からもメールや手紙で貸し出し継続を求める意見が市に寄せられ、市議会でも議論された。こうした声を受け、市は、現在の図書貸し出しシステムの契約期間である2、3年の間は貸し出しを継続することにした。蔵書数の縮小は従来方針通り実施する。
会の結成を呼びかけた同区の女性団体「ウィメンズカウンセリング京都」の周藤由美子さんは「ホッとした。男女共同参画について市民が幅広く学び、考えることができる図書情報室の存在は重要。蔵書整理の際にも市民の意見を聞いてもらえたら」と話している。
ギャラリー設置工事のため、情報室は4月末にいったん閉室し、9月21日に再開する。
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図書館@図書の貸し出し継続へ ウィングス京都、市民の要望強く
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