大阪)情熱の歌集「みだれ髪」香辛料の包装に 堺の会社
村上潤治
2016年1月17日03時00分
堺出身の歌人・与謝野晶子の歌集「みだれ髪」や「火の鳥」「恋衣」の初版本の装丁をパッケージに使った七味唐辛子と山椒(さんしょう)を、香辛料の製造会社「やまつ辻田」(堺市中区)が作った。切手を貼れば手紙としても使える。同社と堺市のコラボ事業で、晶子を顕彰する市の観光施設「さかい利晶(りしょう)の杜(もり)」の限定土産として20日から販売を始める。
1902年の創業の同社は、高野山もうででにぎわった西高野街道沿いにある。一帯は唐辛子の品種「タカノツメ」の産地だったが、50年代以降は衰退。奈良や和歌山などの農家に種を提供して育ててもらい、収穫したものを全量買い取ることで国産タカノツメを守ってきたという。
4代目社長の辻田浩之さん(53)が昨年、堺の伝統を受け継ぐ人を紹介する市の動画チャンネルに出演した。それがきっかけで、唐辛子と与謝野晶子をつないだオリジナルの土産作りが持ち上がったという。