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バニラとピーチ「スイーツ戦争」勃発? 関空LCCで“甘くない同門対決”

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SankeiBiz

バニラとピーチ「スイーツ戦争」勃発? 関空LCCで“甘くない同門対決”

ピーチ・アビエーションの航空機

 格安航空会社(LCC)の拠点化に成功した関西国際空港で、東アジアのLCCの“国際線競争”が激化している。冬ダイヤ(~3月26日)で、LCCは国際線全体の3割強の週339便が就航。そのうち日中韓と台湾、香港のLCCが87%を占める。さらに今春には全日本空輸子会社のバニラ・エアが新たに就航する方針で、同じ全日空系で関空を拠点にするピーチ・アビエーションとの“名前ほど甘くない同門対決”も幕を開ける。(藤原直樹)

 「成田に勝った」…関空幹部の感慨

 「中国向けは国内最大の路線網を持ち、韓国では5社のLCCが就航する。関空は訪日外国人の増加を牽引する空港になった」

 1月18日、関空の平成27年の運営概況(速報値)を発表した新関西国際空港会社の石川浩司執行役員は、こう胸をはった。

 実際、27年の関空は記録づくめの1年だった。国際線と国内線を合わせた総旅客数は前年比20%増の2321万人で、6年の開港以来最高となった。

 外国人旅客は59%増の1001万人と初めて1千万人を突破。国際線に占める割合は62%にまで上った。発着回数は15%増の16万3506回となり、こちらも過去最高となった。

 関空が訪日外国人客の取り込みに成功していることを裏付けたが、これを支えるのが中韓と台湾、香港という東アジアからの観光客だ。

 新関空会社によると、27年1~10月の日本の空港の出入国者のシェアで関空は中国が32%、韓国が28%、香港が32%を占め、いずれもトップだった。台湾は27%で2位だったが、首位の成田空港(28%)とはわずか1ポイント差だった。特に韓国と香港は成田、羽田両空港の合計をも上回った。

 外国人全体でも26%を占め、成田(32%)とは6ポイント差。当初、ライバルとみられた中部国際空港(5%)を引き離している。

 新関空会社幹部は「東アジア限定とはいえ、関空が成田に勝てるなんて数年前までは考えられなかった。地に足のついた成長につなげていきたい」と感慨深げに話す。

 値引き合戦激化

 関空の好調を支えているのがLCCだ。

 日本勢ではピーチ・アビエーションが国際線ではソウルや香港など5路線週70便を運航。ジェットスター・ジャパンが台湾など2路線週14便を飛ばす。中国勢では同国最大のLCC、春秋航空が関空を拠点にしており、11路線週46便を運航する。

 韓国勢の存在感も大きい。チェジュ航空やエアプサンなど5社が計週129便を運航。ティーウェイ航空はLCCで初めてグアム線を就航させた。台湾と香港も1社ずつが就航。台湾では1月23日からVエアが新規就航した。

 関空のLCCは活況ゆえに競争が激化している。特にLCCだけで週63便が飛ぶ韓国・釜山線は、関係者も「路線維持できない航空会社が出るのでは」と懸念する。

 値引き合戦はし烈を極める。低価格を売りにするだけに、一部座席では台湾路線が2千円台で販売されるなど、大阪市内の住民から「自宅から関空に行くまでの交通費の方が高い」との笑い話が生まれるまでになっている。

 春秋航空の孫振誠・日本代表は「関空は主力路線で採算がとれているが、他の空港では赤字路線ももちろん多くある。採算や収益はトータルで考えている」と強調する。

 競争の果て

 競争が激しいLCC。各社の経営状況は良好とはいえない。

 ジェットスター・ジャパンは27年6月期決算が75億円の最終赤字となった。最終赤字は4年連続。大株主の日本航空とオーストラリア航空大手カンタス航空が増資を繰り返しているが、黒字化のめどは立っていない。

 海外のLCCも経営状況は決してよいとはいえず、コストダウンのために機材繰りなどで無理を重ねている。

 韓国LCCのジンエアーは1月3日、フィリピン・セブから釜山に向かう航空機で完全にドアが閉まっていない「半ドア」状態のまま離陸。高度3千メートル以上まで飛行した後、セブに引き返すという事例があった。頭痛を訴える乗客もいたといい、LCCの安全性に懸念が広まった。

 そんななか、今春から関空に新たなLCCがまた就航する。全日空子会社で成田を拠点にするバニラ・エアだ。

 バニラは現在、成田から台湾と香港に国際線を就航しており、関空からも台湾や香港の路線を開設するとみられる。また、訪日外国人の増加で需要が高まっている成田-関空線も検討している。

 台湾と香港は同じ全日空系のピーチも路線を就航している。バニラは、関空を成田に続く第2拠点にすることも視野に入れており、バニラとピーチによる「スイーツ戦争」が起こりそうな情勢だ。

 関空はLCC専用の第3ターミナルを建設中で、29年春に完成予定。28年3月末から運営権を引き継ぐオリックスなど出資の関西エアポートは、早期に第4ターミナルの着工に移りたい考えで、LCC向けの設備はさらに充実する。

 関空をめぐるLCC間の競争は今後も続き、名前ほど甘くないサバイバル競争になりそうだ。


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