東日本大震災から11日で5年を迎えるが、政府の地震調査委員会の本蔵(ほんくら)義守委員長(東京工業大名誉教授)が、今後もマグニチュード(M)8以上の余震が起きる可能性があると言及した。別の専門家は、警戒期間を「本震発生から約100年」と話す。地震列島に住むことの大変さがあらためて浮き彫りとなっている。
本蔵氏の発言は10日付の毎日新聞が報じた。記事によると、他の地域の巨大地震の例を踏まえ、震災当日に起きたM7・6の最大余震を上回る地震の発生が今後も考えられるという。
2004年12月にインドネシア・スマトラ沖で発生し、M9・1を記録した地震の震源やその周辺では5年以上たった後もM8級の地震が複数回起きている。その上で、本蔵氏は「東日本大震災とスマトラ沖地震は、地形が似たところで起きており、同じような規模の余震が起きてもおかしくない」との見解を示したという。
武蔵野学院大の島村英紀特任教授は「大きな余震は本震のマグニチュードからマイナス1程度というのがこれまでのデータの平均的な数字だ。しかし、過去にはM6の本震に対してM5・8の余震が起こったこともある。こうした余震は本震に対しての『双子地震』と呼ばれているが、東日本大震災クラスの地震に対しても、同様のケースが起こらないとはかぎらない」と解説する。
また、大規模な余震を警戒すべき期間について、島村氏は「本震がM9を記録した大規模地震に対しては、発生から100年程度は警戒が必要だろう」と話す。
3・11を機に気を引き締めたい。